《はじめに》
カウンセリングは何をするのですか?カウンセリングを受けるとどんな効果があるのですか?
お問い合わせでそう訊ねられることは少なくありません。
でも、それはそれほど簡単に答えられるものではないように思います。
まして山手カウンセリングルームは精神分析的指向性をもつカウンセリングルームですから、すぐにお悩み解消!簡単に癒されます、などと言えようはずもなく…
1回1回のセッションは長年心に絡みついていた気持ちや心の奥底に眠っていた想いを、その方とご一緒に紡ぎ出してゆく宝物のような時間と思っております。
その人との丁寧にじっくりと関わるなかで、紡ぎ出されてゆく言葉の持つ力を信じつつ…
セッションで紡がれた言葉はその時だけでなく、年月を経てはじめて理解されることもあるのですから、カウンセリングを受けている方自身がカウンセリングを語ることは相当な力業と思います。
それでもやはり、精神分析的カウンセリングをうける体験というのがどういうものか、関心がある方も少なくないであろうという想いや、実際にお受けになっている方からの声かそれを一番伝えるのではないだろうかという想いから、実際にはかなり躊躇いつつ、お越しくださっている方に「決して無理はしないで」と前置きをしてお願いしてみました。
お一人お一人のカウンセリング体験はその方だけの宝もの…
それにもかかわらず、ご自身の体験を精神分析的カウンセリングを理解するための手引きとしてお分かち下さった方々に心から御礼申し上げます。
■風景1:背面法のセッションから■
かけがえのない あなたの人生だから・・・
背中越しに響く声に温かな涙が私の頬を伝います。
「生きていていいんだ」と感じる瞬間が、今日も訪れました。
「あなたがいたから私は幸せになることが、できなかった」
いくつものトラブルを抱え、悩んでいたであろう母の言葉は、幼かった私には、まるで自分の存在を否定されているかのようにしみ込んでいました。
存在に値しない人間などいないはずなのに、罪悪感は、付きまとい続けます。罪悪感は、私の心を打ちのめし、行動することを妨げます。行動できない自分をまた、さげすむといった悪循環の中でもがいている時、通っていた心療内科のドクターにカウンセリングを受けることを勧められました。
「辛いと感じていることを話してどんな良い変化が、あるというのだろうか?」猜疑心でいっぱいの私でした。でも、胸が痛くなるほどのこの辛さから解放される術を教えてもらえるならば・・・と最初のセッションに向かいました。
カウンセリングを受け始めておよそ8ヶ月。私の人生は、変わりつつあるかも知れません。
振り返ると、うずくまったままの幼子が上を向いて「助けてぇ」と わめいていたような自分を感じます。
今、「ちょっと立ってみよう」と自身の成長に気付き始めた私を見つけます。
いつもの曜日と時間と空間で自分のことに思いをはせてくれる人と話をする。
困ったこと、うれしかったこと、迷っていること。こんがらがった感情の糸をすこしずつほぐしていくようなやり取りは、私の求めているものの輪郭をゆっくりと見せてくれるかのようです。
その感覚が、私に生きる勇気をもたらします。
丘のてっぺんに佇む縁側のある家までは、急な坂を登り続けなければなりません。たどり着いた時に見える景色は、遠くを見やる心地良さに気付かせてくれます。それは、生き方のレッスンにたどり着いたごほうびかも知れません。
■風景2:対面法のセッションから■
うつ病で心療内科を通院しましたが、そのまま仕事を退職。ゆっくり自分と向き合う時間がほしいと思い、初めてカウンセリングを受けたのは、もう一年以上前になります。心療内科の先生からは投薬治療を受けていましたが、薬の量も症状も良くも悪くも安定してきて「薬で治せるのはここまでかな?」と思ったのがカウンセリングを受け始めたきっかけでした。
原則週に一度で行われるカウンセリングは、今までの人生を振り返り、これからの人生をどうすごしていくかを考える時間となっています。つらかった経験もカウンセラーに話すことで客観的に見られますし、自分を受け止めること、今まで思っていなかった視点から自分を見直すことができます。
山手の丘の上にあるカウンセリングルームでは、ゆっくりと時間が流れる古民家から自然を眺めるなかで、くつろいでカウンセリングを受けています。
※上記の2文とも実体験に根ざしたものですので、無断での引用、転載を厳にお断り致します。
コミュニケーションや人間関係が苦手…
気持ちが落ち込むことが多く、なかなか立ち直れない…
人と会うのが苦痛に感じられる…
家族やパートナーとの関係がうまくゆかない…
会社や学校に行くのがつらい…
過去の体験が忘れられず、こころが苦しい…
自分の弱さを認めることができない…
自分が嫌い、どうしても好きになれない…
生きているのが、つらく苦しく感じられる…
時々、突発的不安や焦燥感にかられる…
よく眠れない…
介護に疲れ果ててしまった…
子どもとつきあうことに難しさを感じている
子どもの発達や適応状態が心配…
子どもと、どのように関わったら良いかわからない…
など、主に社会と適応する上で難しさを抱えていらっしゃる方
*なお、山手カウンセリングルームは医療機関ではございませんので、医療機関に現在おかかりの方は必ず事前に、主治医の先生にカウンセリングの適否について、ご相談されてからお申し込み下さいますようお願い致します。
また当方において医療機関への受診が必要と認められた場合には、相談者ご本人の同意を得て適切な医療機関にご紹介させていただく場合がございます。